toorisugari3のブログ

ベターコールソウルの事について、ネタバレ込みでつらつらと

Better Call Saul S6Ep06 Axe and Grind(目には目を) A4

キムのアパート

ジミーはグレーのシャツ。キムは青黒ヒョウ柄のブラウス。青は法律、黒は悪、欺瞞、秘密の色。

ソファ後ろに掛けてある絵の裏、作戦図を見ながら「見落としなんてないさ We didn't miss anything」とジミー。ついに残すところはD-DAYのみに。

作戦ボード

この作戦ボード、これまでの企みが網羅されてる模様。

左から偽ドラッグ、ケトルマン夫妻、ハイヒール、虫眼鏡、天秤、カメラ、瞳孔、T-1、D-DAYとなっている。

偽ドラッグの絵の下にはゴルフのグリーンの絵や(体験)TOUR。

ケトルマン夫妻の下には人参(アメとムチの英語はCarrot and Stick)の絵。

ハイヒールは=ウェンディ。ジャガーの絵がある。

虫眼鏡は後述するとして、天秤はサンドパイパー訴訟の調停員、ヴィオラの絵はその名前カシミーロを聞きだしたキムの元部下だ。

カメラの下には「DOUBLE?」「MAKEUP? FACE PUTTY?」「$」「口髭」。身代わり、変装・変装用パテ・現金。

瞳孔は、つい先ほど獣医カルデラの所で拡大させた。下には「RED BULL?」や「DRUG TRIAL」「25min」など、獣医の所で行った事を示唆している。

T-1は、何の略かは分からないが、オンライン会議の事だろう。フランチェスカにかけさせた携帯電話の絵、7をおしてから842159というPassCode、HHM……。

そしてD-DAYと爆発の絵。

 

ここでこれまでジミーとキムが露骨に関わってこなかった虫眼鏡、これは探偵の代名詞みたいなもの。そして探偵と言えばハワードが雇った探偵だ。虫眼鏡の絵の下には「CASTING」という文字。

一つのカギは、前のエピソード、S6Ep05、ハワードとロッキーごっこをした後にベッドでキムと交わした会話だ。何故ハワードの徴発に乗ってしまったんだろう?とつぶやくジミーにキムが言った言葉。「この先の展開を知っているからよ」これはハワードがジミーの企みに気づく事を指している可能性が高い。

もう一つのカギは、作戦ボードでの順番だ。ハワードがジミーの影に気づいたのは、ウェンディをクリフに見せてから、ヴィオラから調停員の名前を聞き出すまでの間だ。

計画通り、という事だろう。さきほど探偵がハワードに見せた、現金を引き出すジミーの写真も勿論仕込みだろう。

 

もう一点、瞳孔の下りは、ハワードに獣医に貰った薬を塗って瞳孔を開かせ、コカイン使用を疑わせるもの。効果を「DRUG TRIAL」したのはジミー。ジミーはSeason1からもうずっとことあるごとにコーヒーを飲んでる描写がつづけられてきた。

一方でハワードは意識高い系というか、A1で妻にラテアート作った際にも自分はコーヒーではなくてティーバッグでお茶を入れてた。彼がコーヒーを飲んでいたシーンの記憶がないし、そのお茶もカフェインレスのものかもしれない。

瞳孔を開かせる薬の効果が早く・強く出る位なら良いが、致命的な症状が出る可能性がかなり高いのではないかと心配している。獣医の診療所で、ハワードの体格がジミーと同じくらいだと言ったのもフラグになってる。

 

オマハ・ビーチ

そして、D-DAYに付き合えないキムを、「オマハ・ビーチ」へ誘う。HHMの会議室を眺める場所に座り、ワインで乾杯する2人。はじめて外から見る建物だけど、カッコイイね!キムがポストイット張りまくり電話かけまくりの階段も懐かしい。

オマハ・ビーチ、ことHHM会議室の前で乾杯する2人

しかし、どうして「オマハ・ビーチ」なんてコードを使ってしまったのか。D-DAYやらオマハ・ビーチと言えば、ノルマンディー上陸作戦由来の暗号だ。D-DAYはそのまま決行日だが、オマハ・ビーチは本作戦で一番被害の大きかった場所だ。上陸作戦で最も死亡率が高く、「ブラッディ・オマハ」と呼ばれることになった、とWikipediaにもある。

 

 

翌朝、キムのアパート前

キムの基金面接が上手くいくように声をかけるジミー。挨拶のキスをして別れる。

 

 

酒屋

ジミーは「サフィロ・アネホ」を求めてレジに並ぶが、そこで偶然にも調停員のカシミーロ本人が腕を骨折したようで、左腕にギプスをはめ、吊ってるのを目撃する。青ざめるジミーは慌てて車に戻り、ハンドルを叩いて悔しがり、一刻も早く、とキムに電話する。

キムも動揺が激しく、大声で「Shit!」と叫ぶくらいだ。ジミーは今日はサンタフェでの昼食会に集中して、ハワードの方は延期しようと提案するのだが、キムは「決行は今日よ」と車を引き返す。

 

 

 

話は戻るが、探偵仕込み説のもう一つの傍証が写真だ。この2つの写真は白黒であることも大きさも良く似ている。捏造写真を探偵経由でハワードに渡すのが、D-DAYの作戦のキモだったんだろう。

ジミー達が捏造した写真(左)とハワードが探偵から得た写真(右)

ジャクソン・マーサー基金のバックアップがあれば、ハワードを嵌めてサンドパイパー集団訴訟のジミーの取り分に頼る必要も無くなるだろう。なのに、昼食会を諦めてUターンしたのは何故なのか。キムは目の動きであれこれ内心で考えていた事は分かるが、昼食会に出なくても基金の方をなんとかできる算段が出来たというのか、ハワードを陥れるのを優先してしまったのか?

 

S6Ep04から3話まるまる使って、ゆっくりと次の中間フィナーレへ繋いできた。次に怒るのはジミーとキムがハワードを嵌める作戦と、ガスとラロの直接対決だ。期待がたかまる、なんてレベルでは無いよもはや。

 

 

今回、ジャンカルロ・エスポジート監督回との事だったが、いつもよりも「何か越し」のカットが多かったような気がする。